トロント🇨🇦でもお馴染みのサマータイムことDaylight Saving Time。
シドニー🇦🇺に住んでいたときもサマータイムはあったので、個人的には大好きなこのサマータイム。
サマータイムを実施している国歴8年目のわたしが、このサマータイムのメリットと日本が導入しない理由をまとめました。
◆サクッと読むための目次
そもそもサマータイムって?
アメリカでは、サマータイムはデイライトセービングタイム(DST)と呼ばれ、日の長い夏の間、時間を1時間進めて日光を使って電気を節約しようということで、3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までをサマータイムにしています。ヨーロッパでも、サマータイムが実施されており、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日までがサマータイムの期間になっています。ヨーロッパでは、Central European Summer Time というようにサマータイムと呼ばれています。
世界でのサマータイム実施状況
オレンジが、過去に実施したことがあるけど今は実施していない国。
赤は、一度も実施したことがない国。
国連加盟国193ヶ国のうち実施しているのは60ヶ国で全加盟国の約1/3です。
こう見ると、北米や欧州では多くの国、州が取り入れていることが分かりますね。
サマータイムの3つのメリット
- 照明用の電力の消費量を1時間分減少させることができる
- アフター5が充実する
- 経済の活性化
サマータイムが始まるときには、強制的に1時間時計を早めます。
よって、夕方以降の明るい時間が増えるので、照明用の電力の消費量を1時間分減少させることができます。
これが1つ目のメリットですね。
2つ目のメリットは、日が伸びることで、アフター5をより楽しむことができます。

仕事が終わってもまだ明るいと、なぜか仕事終わりなのに活力が湧いてくる。なんなら出勤前より元気。雨だといつも通りですけどね(笑)
で、出かけよー!とか、パティオでビール飲み行こう〜!とか行動するわけです。
新たな習い事をしてみたり、新しい発見があったりと、サマータイム中はアフター5がより充実することが何よりもの恩恵だと思っています。
ということは、3つ目はもう分かりましたね。
こうやって個人が動き出すので、経済の活性化ということが挙げられます。
日本がサマータイムを導入しない3つの理由
ここまでメリットを3つ挙げてみましたが、いいことばかりではないのも事実です。
メリットだけであれば、日本も既に導入しているはずですもんね。
日本が導入しない理由を3つ挙げてみたいと思います。
- 地理的な観点から、導入のメリットの差が激しいから
- 導入の手間とコストがかかるから
- 残業が増えるんじゃないかという懸念から
理由①:地理的な観点から、導入のメリットの差が激しいから
まずはじめに、前提としてサマータイムの恩恵を受けやすいのは、高緯度にある地域です。
低緯度の地域では、夏と冬の昼間の時間差が少ないので、導入のメリットが少ないんです。
日本は南北に広がる列島なので、緯度という点では、北海道札幌市は 43°05′ 、沖縄県那覇市は 26°23′ と差が大きいんですね。

那覇市の夏至の日の出・日の入りが「5:40/19:25」くらいで、冬至だと「7:10/17:40」。
札幌市の夏至の日の出・日の入りが「3:55/19:20」くらいで、冬至だと「7:00/16:00」。
北海道(札幌)の夏至の頃の日の出は午前4時頃なので、サマータイムを導入すれば、日の出が5時に押され、最大で20:20まで明るいということになります。
よって、導入のメリットが大きいと考えられるんですね。
トロントの夏至の日の出・日の入りが「5:40/21:00(4:40/20:00)」くらいで、冬至だと「7:50/16:50」。(※括弧内は、サマータイムを差し引いた時間)
相当な恩恵を受けていることが分かりますね!
夜9時頃まで明るいって本当にいろんなことができます。
一方で、沖縄(那覇)は、緯度の割には夏は蒸し暑く、夜も寝苦しい日が多いので、家庭でのエアコンの消費電力量が増加することが容易に考えられます。

それに比べ、トロントやシドニーは、真夏でも湿度が低いので、夏の夕方は暑さが引いて、涼しく過ごしやすいんです。
エアコンを効かせた室内にいるよりも、『アウトサイドでのんびりビール飲みながらご飯』とか、『犬と散歩して公園でのんびり』とかしたくなる気候なんですね。
つまり、1つ目の理由としては、地理的な観点から、導入のメリットの差が激しい_ということになります。
理由②:導入の手間とコストがかかるから

これが、2つ目の理由に直結します。導入の手間とコストがかかる_という点です。
「産みの苦しみ」はあるものの、サマータイムが常設されれば毎年の対応はそこまで負担ではないでしょう。
ただ、この「産みの苦しみ」が相当なものなのです。
個人レベルで考えれば、家中の時計を調節するだけで済みますが、企業、経済と見ていくとそうはいかないですよね。
例えば、航空会社や電車のダイヤ改正。さらには、金融システム。
送金などのタイムスタンプにズレが生じれば大変な事態になることは容易に推測できますね。
実際に導入することになれば、2年程度の導入期間が設けられますが、すべてのシステムにこのサマータイムを組み込まなければいけなくなります。
国主体で進めるのであれば、恐らく給付金などが下りるんだと思いますが、それでもコストと労力を考えると膨大なものです。
理由③:残業が増えるんじゃないかという懸念から
3つ目の理由は、残業が増えるんじゃないかという懸念からです。
外が明るければサービス残業が増える_というこの理論。
ただこれは、そもそもの論点がズレていますね。
外が明るいから残業を「させる」とするならば、それは管理側に問題ありで、サマータイム云々以前の問題。
外が明るいから残業を「しよう」とするならば、それは実行側に問題ありで、これまたサマータイム云々以前の問題と思うわけです。

まとめ|日本での導入は課題多
個人的には大好きなサマータイム&。
でもそれはトロントに住んでるから。シドニーに住んでいたから。
だと思います。
カナダもオーストラリアも国土は広いし、州によって時差ももともとあるので、緯度的にもっとも恩恵を受けるところだけで導入ができたので、結果オーライだと思うんですが、、日本がいざ導入となると、世界で初めての導入ではないので、他国の実績や知見を拝借することはできるとはいえ、まだまだ課題が多いですね。
目に見えた大きなメリットがないと政策としても掲げられないですしね。
このサマータイムについて、どう思いますか?
日本での導入についてのご意見、カナダ、オーストラリアでの実体験などなど_お待ちしています。
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それでは今回はこの辺で!
KEI(@kishikawa1126)でした。

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