外国人労働者問題とは?入管法改正?技能実習生?まるっとまとめました!

外国人労働者問題とは?
入管法改正?技能実習生?まるっとまとめました!





こんにちは、トロントでフリーランスマーケターをしてますKEI(@kishikawa1126)です。
 
厚生労働省がまとめた「外国人雇用状況」の届出状況まとめによると、2018年10月末の時点でその数なんと約128万人の方が雇用されており、届出義務化以来、過去最高を更新しています。

在留資格別にみた外国人労働者数の推移
出展:©️ Ministry of Health, Labour and Welfare|「外国人雇用状況」の届出状況まとめ



『外国人技能実習生制度』をおさらい

状況を整理するため、まずは『外国人技能実習生制度』から説明します。

1982年:出入国管理及び難民認定法の改正によって「企業単独型による外国人研修生の受け入れ」から始まっていることになっています。

外国人技能実習生制度しかし、導入当時は、各企業が発展途上国に進出する際に現地従業員採用時に研修する場_として一時的に使われ、日本国内の工場などで研修を行うことが大半でした。
つまり、国内での研修が終われば、進出先の海外工場で雇用する_、つまり帰国することが前提でした。

1990年:団体管理型による外国人研修生の受け入れが開始に。

1993年:研修1年+技能実習1年、合計2年間の在留を認める「技能実習制度」が施行に。

この背景には、バブルの影響が挙げられます。
好景気に伴って、若者の製造業(3K:きつい、汚い、危険)離れが急速に進み、産業界は人材確保のために外国人労働者導入を政府に求めるようになったのです。

しかし当時も「外国人労働者」の導入には、時期尚早だとする意見が強かったのも事実です。
そのため、日本政府はあくまで「外国人単純労働者」の導入は行わず、「外国人実習生」として受け入れ体制を取ったのです。

実際には、国内の単純労働力不足に対応するものであったにも関わらず、「我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力すること」という崇高な目的が掲げられたのです。。( ˘•~•˘ )

労働者なのに労働者じゃない。
そんな基盤を作ってしまったのが、この外国人技能実習生制度なのです。

入管法改正案の内容とは

出入国管理及び難民認定法(=入管法)とは、出入国管理制度、並びに難民条約及び難民議定書に基づく難民認定制度等を定めた法令です。
これまでにも社会情勢に合わせる形で、数回に渡り改正もされています。

議論の時間も短く、準備不足だとか稚拙だと言われている法案ですが、中身を見てみましょう。

新たに2つの在留資格が追加される

【特定技能1号】
条件:生活に支障のない会話ができる、一定の知識や技能を持っている
在留期限:最長5年
家族の帯同:不可


【特定技能2号】
条件:生活に支障のない会話ができる、熟練した技能を持っている
在留期限:更新可能(現時点では定めなし)
家族の帯同:可

KEI ISHIKAWA

1号、2号って・・・
「人」なんだからもうちょっと考えた言い方ないのかね。。

入管法改正を推し進めたい政府の意向とは

基本的な考え方として「外国人労働者の数を増やし、国内の人材不足を解消しよう」という考え方がベースになっているのですが、1つずつ見ていきたいと思います。

1. 生産年齢人口減少に伴う労働力減少を補填できる

政府が推し進めたい1番の理由はこれです。

少子高齢化もあり、労働力人口の減少が予測される中なので、外国人労働者を新たな労働力人口として期待できるという点が大きいという見解のようです。

2. 地方での人材不足を補る

日本全体の人口は下降気味にも関わらず、都市部の人口は増加しています。
つまり地方での高齢化は都心部よりも高くなり、介護分野などでの人手不足が深刻という現状もあります。

3. 人手不足による倒産の増加

特に「建設業」「サービス業」「製造業」での倒産が多く、5年前に比べて2.5倍に。

反対意見とは

一方で、今回のこの安倍政権の政策には多くの有識者も反対意見を述べています。

1つずつ見ていきましょう。

1. まずは『外国人技能実習生制度』を是正すべき

既に↑で触れた通り、「労働者なのに労働者じゃない」状況を生み出しているこの制度。
まずはこの改革が先決でしょう。

労働者じゃないが故にとんでもない賃金で働かされている場合もあるのが実情です。

現行の制度で日本で働けるのは以下の3パターン:・留学生 → 留学生は週28時間までアルバイトとして労働が可能。
・技能実習生 → 農業や工場などで働き、最大5年間の滞在が可能。
・医師や大学教授などの高度な人材

128万人の外国人労働者のうち就労ビザで働いているのは18.6%しかいないのです。
つまり、実際には、上2つの留学生や技能実習生が「労働」しているということですね。

この実習生制度のさらに厄介な点は、受け入れる側の企業は、給与以上の管理費がかかるということ。

ベトナムから3人の実習生を3年間受け入れるとするとき、給与以外で年平均約91万円
外国人労働者新聞.comさんの『外国人技能実習制度の費用(3人のケース)』という記事を参考にさせていただきました。

つまり支払う側の企業からしてみればそれも給与の一部(出費という括り)という感覚に陥り、最低賃金を下回るだの劣悪な住宅環境だったりという問題が出てくるわけです。

企業からすれば「労働者」に変わらないのですから、この「実習生制度」自体を見直すのが先決だと思いますね。

2. 雇用環境の悪化に繋がる

既に触れた通り、少子化は確かに進行していますが、近年の人手不足は少子化の影響ではないことをここでは理解する必要があります。
(政府は少子化で生産年齢人口が減少していることを「人手不足」として、外国人労働者受け入れの理由としています)

安倍政権になってからの異次元金融緩和で景気拡大が本格化し、雇用のニーズが高まったことで人手不足が起きています。

現在の雇用環境をおさらいアベノミクスの異次元金融緩和で、実質金利が相当程度低下
→円安・株高
→実質金利低下
→人やモノへの投資も徐々に増加
=雇用環境の改善も

労働力調査
©️ 講談社 | 誰も指摘しないのが不可解すぎる、入管法改正の「シンプルな大問題」

こちらのグラフを見ていただければ分かると思いますが、生産年齢人口は確かに減少していますが、就業数は明らかに上がってきているのです。

雇用ニーズが高まっていることで、雇用環境の改善にも繋がってきています。
実際に、名目賃金・実質賃金ともに上昇傾向にあります。

ここで、多くの外国人労働者を受け入れたらどうなるでしょうか?
再度買い手市場に戻り、雇用環境の悪化に繋がる_という考え方ができますよね。

安倍政権になってからの外国人労働者は70万人→130万人まで既に増えているものの、賃金の動向を見る限りでも、本格的な人手不足とは言い難いのではないかと思います。

恐らくこの流れには「産業界からの『人手不足を何とかして欲しい』という要望を汲んでいる」と見るのが妥当でしょう( ˘•ω•˘ ).。oஇ

産業界の言う人手不足とは、賃金を高くしたくないというのが本音でしょうね。

このまま政策を続ければ、アベノミクスの成果である雇用の創出や一部での賃金上昇を台無しにする可能性すらあるんですね。

企業収益が好調なのに相反して労働分配率は右肩下がり。
このことも考えれば、そろそろ内部留保を分配していくタイミングなのでは?とも思います。

3. 日本人の雇用機会を失う

まず国が第一に優先しなければいけないのは自国民の雇用機会です。
これはどこの国でも同じです。

就労ビザ私の住んでいるカナダを一例にすると、会社が就労ビザを発行する(スポンサーになる)場合でも、きちんとした整備がなされており、一定基準以上を上回らないと政府にすら申請できません。

平たく言うと『カナダ人でもできる仕事かどうか』。
つまり『外国人でないといけないのか。外国人にこの仕事をしてもらうことでカナダ経済を豊かにするのか』という基準が大変重要なのです。

実際にスポンサーになる企業もカナダ人向けに求人広告を出して、それでもやっぱり採用できなかった_と言う証拠も提出しなければなりません。(カナダ人採用についても努力しましたよという証拠)

カナダ人にでもできる仕事であればカナダ人を優先すべきですから、全くもって不思議ではありません。むしろめっちゃ納得です。

4. 労働環境の改善に繋がらない

2.と似ていますが、別の視点です。

本来改善されるべき劣悪な労働環境でも、仕事ができるのであれば、ビザが出るのであればという理由で外国人労働者が働くケースが多くあります。

その為、企業側が本来改善すべきこの労働環境なのですが、いつまでも改善が進まない懸念があります。

「優秀な外国人労働者」を将来的な戦力として採用する企業が多い反面、「安価で、日本人は敬遠しがちな労働環境であっても抵抗なく就労する労働力」と認識して外国人労働者を雇用する企業も存在することを忘れてはいけません。

今後については、日本政府のかじとりの下で「労働差別を禁じ」日本人と同等の条件、「同一労働 同一賃金」となるようです。

が、やはりここで問題になるのは日本人の雇用機会が失われるという点ですね。

5. 実質的には移民受け入れ策である

上でも述べたように新たに2つの在留資格が追加されます。

現行の技能実習生制度(最長5年)も残し、実習生→1号→2号とステップアップしていくイメージです。

3年以上の経験がある技能実習生は「一定の技術も日本語能力もある」とみなされ、無試験で1号を取得することができるので、実習生~1号までだけで最長10年働ける計算です。

さらに試験を受けることで1号から2号へ移行でき、2号は永住も可能になる。

これが「実質的な移民政策」と言われる所以です。

じゃあどうする?

1. まずは入管法・実習制度を見直す

これまでに受け入れてきた留学生アルバイトと技能実習生にきちんとした在留資格を与えて、その後はしっかりと管理するスタンスを取ることがまず取るべき行動のように思います。

さらに、「実習生」をきちんと実質に合った「労働者」として認め、制度を見直すべきです。
制度導入時から時代は変わっているのですから、時代に合った内容に改正すべきだと思います。

2. 保険の仕組みを見直す

民主党政権時代の2012年7月に外国人登録制度が廃止され、それに伴い、在留資格1年未満では国民健康保険に加入できなかったものが、3ヶ月を超えて在留する外国人は国民健康保険に加入することが義務になった経緯があります。
(住民基本台帳法の改正により、3ヶ月を超えて在留する外国人は住民となるという形式的な考え方に基づく)

これは義務というよりも「特権」ですよね?

しかも日本の保険証に顔写真は無し。悪用しようと思えばできちゃいますよね?
ちなみにカナダの保険証は運転免許同様に顔写真入りです。

3. 移民政策を議論する

日本は島国で「移民」と言う言葉にアレルギーをもつ国民であると思います。

ですが、インターネットで繋がるこの世の中、生まれた国以外で暮らすという選択肢は誰もが考えておかしくないと思うのです。

アレルギー反応的な世論の反発・マスコミの反発は目に見えますが、きちんと真っ向から移民政策を取ることこそが実習生制度の改革にも繋がっていくのではないでしょうか?

まとめ

KEI ISHIKAWA

わたし個人的にはあんまり納得が行ってない今回の法案。皆さんはどう思いますか?

例を挙げると・・・

1. 働き方改革ではすぐに結果が出ないと言うけれど

いやいやいやいや、短期的に現状打破したいにしても、それ違うよね?
人口減少は今年急に始まったことではなくて、見えていたのだからこれだけ急ピッチで対応しようとすること自体、正直何か裏があるの?と思ってしまいます。

2. 人が増えすぎて日本人の雇用を圧迫したらストップする?

これ本当にできるの?と思ってしまう。
新しく作るのはもとより、日本の国会で法案(改正案)を通すのは、一部の的外れな野党の反発で難航する傾向にあります。
今でこそ反対している野党も、その時の政権によっては態度を変えるのでは?と思うわけです。

3. AIはどうなったんだ?

AI過渡期にあるAI。
ついこないだまで「仕事がなくなる〜」とか言って大手企業でも大規模削減なんてニュースが出ていたように記憶しているんだけど。。

もちろんすべてがAIで折り合いがつくとは思っていないけれど、カバーできるところもあると思うのですが、その開発なりに国が助成金を出すとかの施策の方が国内経済を考えるとよっぽどいいのでは。

あわせて読みたい!関連記事 》働き方改革が必要な3つの理由