日本のEEZ内でタンカー沈没

日本のEEZ内でタンカー沈没。日本への影響は?世界はどう見ている?


日本のメディアではほとんど取り上げられていないようなのですが、海外メディア(少なくとも私の住むカナダ)ではしっかりと取り上げられていますので、きちんとまとめておきたいと思います。

タンカー沈没 、日本のEEZ内で 上海沖で貨物船と衝突
出典:共同通信|© 2006-2018 Press Net Japan Co.,Ltd. All Rights Reserved.

事故の経緯

1月6日、上海沿岸から約257㌔の東シナ海で、パナマ籍のタンカーと香港籍の貨物船が衝突。

タンカーは炎上、爆発し、奄美大島から315㌔沖の日本の排他的経済水域 (EEZ) まで漂流して沈没しました。

タンカーの積荷だった大量の原油が流れ出し、乗組員の多くが行方不明となっています。

中国は事故直後の協力を拒否

1月26日のTHE DIPLOMATの記事より抜粋:
Initially, it appeared as if the international community — more specifically, key regional actors — would respond collectively and efficiently to the crisis. Chinese, South Korean, and U.S. vessels were among the first responders, while Iran’s navy joined efforts on January 10. Japan also offered assistance, though the Chinese government apparently rejected these offers despite Iranian appeals for help from both states in the search for its missing sailors. By the time Beijing publicly welcomed assistance from “other relevant parties,” the Sanchi had already drifted significantly south-southwest before sinking approximately 315 km off of Anami Oshima, a major island in the Ryukyu Island chain, and within Japan’s Exclusive Economic Zone (EEZ) according to the Japan Coast Guard.

概訳:
赤字=中国政府は、日本を含めたこれら危機対応の協力を申し出た国々の参加を拒否したようだ
下線=中国が公式に受け入れた時には、サンチは既に日本のEEZに流れ着いていた
Article By Tom Corben|© 2018 The Diplomat. All Rights Reserved.

結局日本のEEZ内で沈没

タンカー沈没

出典:©2018 CBC/Radio-Canada. All rights reserved.

The Diplomat紙の抜粋にもあるように、結局タンカーは奄美大島から315㌔沖の日本の排他的経済水域 (EEZ) まで漂流して15日に沈没しました。

その時になってようやく中国が各国からの協力を受け入れたようです。

何が問題?

初動対応のまずさと各国の連携不足

専門家たちは初動対応のまずさを上げ、さらには北東アジア各国の連携が取れていないことを批判しています。

メディアが報道しない

世界では、少なくとも私のいるカナダではニュースになっています。

積載されていた原油の量は約13万6000㌧。
専門家たちも、今回の事故は過去25年間でも最悪で、非常に大規模な事故であると口を揃えて言っていますが、日本ではほとんど報道されていません。

影響は?

カナダのCBCラジオのインタビューに答えた海洋科学者のリチャード・スタイナー氏は、海に溶け出した有害物質が広範囲に海洋汚染を引き起こすと警鐘を鳴らしています。

今回、このタンカーに積載されていたのは、軽質原油コンデンセート。
この油は、有毒、可溶性なうえに無色のため、汚染を目視することが難しいのです。

良い点は、従来の原油のようにどす黒い油ではないので、外観を損なうようなことはありませんが、その反面、目視できないので、危険を察知するのが難しいということがあります。

専門家たちは、結果的には消費者にも被害が及ぶことを鑑み、中国や日本政府に該当地域や近海での操業を安全が確認されるまで一旦ストップさせるべきだとしています。
本州に漂流するまでには蒸発、希釈、分解されているとしても、この地域での操業に影響がないとは言い切れないですよね。

既にタンカーが沈没してしまったこともあり、「どれだけが既に流出」していて、「あとどれだけの油が船に残っているのか」が分からないため、回収作業は困難な状況にあると言います。

3月半ばには関東―東北沖まで拡大する恐れ

東シナ海で1月14日に沈没したタンカーから流出した油の汚染が今月半ばまでに沖縄や南西諸島に及び、来月半ばには関東―東北沖まで拡大する恐れがあるとの予測結果を、英国のサウサンプトン大と国立海洋学センターの研究グループが3日までにまとめた。
このタンカーのものと疑われる油が、鹿児島県・奄美大島の海岸などで既に発見されている。
出典:共同通信|© 2006-2018 Press Net Japan Co.,Ltd. All Rights Reserved.

CBCラジオニュース

英語のある程度分かる方は是非このラジオニュースを聞いてみてください。

スクリプトも載っているので、すべて聞き取れなくても理解できると思います。
英語の勉強にもなると思うので、是非。

Why no one is talking about the largest tanker spill in decades

日本語訳:なぜ誰もここ数十年間で最大規模のタンカー油濁について話さないのか

ラジオを聴く|スクリプトはこちら

出典:©2018 CBC/Radio-Canada. All rights reserved 

まとめ

我々の食卓に並ぶであろう魚介類に限らず、これだけの量の有毒の油が海洋に流れ出たとなれば、生態系に影響が出ないわけがありません。

食の安全確保はもちろんですが、それ以前に事実を報じて人々に考えさせるという本来のメディアの役割と機能がまったく見られないことに驚きを感じるばかりです。

ただし今回に限ってはメディアのみならず、政府も情報を出し渋っているようです。

無駄に不安を煽ることは良くないですが、不安要素が残る限りメディアで取り上げ議論を活発化される必要があるんだと思います。

「汚染された微生物の影響は?」「それを食べた魚の影響は?」「それを人間が食べても平気なのか?」など。

KEI ISHIKAWA

日本で報道されないのは問題がないからだよ

という人もいますが、そうであるならばそう報道すれば良いのです。野党も野党です。

日本国内だけのニュースだけでなく、海外記事も同時に確認する癖をつけておくと便利です。

CBCラジオのインタビューに答えたステイナー氏がこのように言っていました。

RICHARD STEINER: Well I am surprised and I am also very frustrated and disappointed. This is 150 miles offshore. There are no independent observers out there. There is very minimal monitoring. And so we really don’t know what to believe with all this information is tightly controlled by a traditionally nontransparent government that of China and Japan—as we’ve just heard from Miguel is saying nothing. And that really is stunning. And again, if we don’t transparently communicate with citizens, that’s a basic fundamental tentative democracy. My counsel to the governments of China and Japan is that all that is to be open and honest about these things than to attempt to cover them up and conceal the truth. That what they need to start doing immediately.
出典:©2018 CBC/Radio-Canada. All rights reserved

要点だけ抜粋して訳すと、

  • ほとんど監視もないようなところで起きた事故なので情報が少ない
  • しかしその「情報」さえも、以前から不透明な日本政府と中国政府が堅く管理している
  • これにはただただ驚きしかない
  • 国民と不透明な部分なしのやり取りができないならば、それは民主主義と呼べるのだろうか
  • 中国と日本政府への助言ができるとすれば、隠すのではなく、情報をすぐにでも国民と共有すべきであるということ

共同通信には記事が見受けられましたが、地上波や新聞では報道されているのでしょうか?

是非日本在住の方にも確認してもらいたいです。

それでは今回はこの辺で!
KEI(@kishikawa1126)でした。

KEI ISHIKAWA
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